ETRTO とは
「47-406」の読み方と ISO 5775・JIS との関係
ETRTO(エトルト)は、ヨーロッパのタイヤとリムの規格団体の略称です。自転車では、タイヤ側面の 47-406 のような「タイヤ幅(mm)-リム径(mm)」の表記を指して「ETRTO」と呼ぶのが一般的です。
この書き方そのものは国際規格 ISO 5775 で決められていて、日本の JIS K 6302(自転車-タイヤ)も ISO 5775 を基にしています。
互換を見るときは後ろの3桁(リム径)だけを比べます。同じなら同じリムに付き、違えば付きません。
ETRTO は団体の名前
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名 | European Tyre and Rim Technical Organisation(仏語名 Organisation Technique Européenne du Pneumatique et de la Jante) |
| 所在地 | ベルギー・ブリュッセル |
| 設立 | 1964年10月(国際団体年鑑 UIA の記載) |
| 目的 | 各国の規格をそろえ、空気入りタイヤ・リム・バルブの互換性を実現すること |
| 対象 | 自転車に限らず、乗用車・バイクなどあらゆる車両のタイヤとリム |
| 出版物 | Standards Manual(規格集)を発行・販売(2026年版あり) |
| 他団体との関係 | ISO(国際標準化機構)や UNECE(国連欧州経済委員会)と協力している |
つまり ETRTO は本来、自転車専用の言葉ではありません。日本の自転車の売り場やカタログでは、団体名がそのままサイズ表記の呼び名として使われています。
「ETRTO表記」と ISO 5775・JIS の関係
自転車タイヤの 37-622 のような表記は、国際規格 ISO 5775 で決められています。英語版ウィキペディアも「ETRTO として知られる現代のタイヤサイズ表記は ISO 5775 で定義されている」と説明しています。ETRTO は ISO と連携して規格づくりに関わっている団体です。
| 規格 | 内容 | 日本との関係 |
|---|---|---|
| ISO 5775-1 | 自転車タイヤの呼びと寸法。最新は2023年の第7版 | JIS K 6302(自転車-タイヤ)の基になっている |
| ISO 5775-2 | 自転車リムの呼びと寸法(2021年版) | JIS D 9421(自転車-リム)の改正案がこの版に合わせている |
- 今の JIS K 6302:2011 は、1997年の ISO 5775-1(第5版)を基にしています
- 2026年8月、JIS の原案を作る自転車産業振興協会が、ISO 5775-1:2023・ISO 5775-2:2021 に合わせる改正案を公開し、意見を募集しました。チューブレスのタイヤとリムを対象に加え、タイヤとリムの呼びは国際規格の表記を優先する内容です
改正案は最終版ではなく、審議の中で変わる可能性があると協会は断っています。それでも、日本の規格も 47-406 型の表記を基本にする方向です。
「47-406」の読み方
| 部分 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
前の数字 47 |
タイヤ幅の公称値。決められた幅のリム(設計リム)に付け、指定の空気圧を入れたときの幅 | mm |
後ろの数字 406 |
公称リム径。タイヤのビードが座るリムの直径(ビード座径、BSD) | mm |
主なサイズとインチ・フランス式の旧表記の対応です(JIS の改正案の表、メーカー・販売店の資料による)。
| ETRTO | 旧表記の例 | 詳しく |
|---|---|---|
47-406 |
20x1.75 |
47-406 |
37-451 |
20x1-3/8 |
37-451 |
54-559 |
26x2.125 |
559 |
40-584 |
26x1-1/2(650B) |
584 |
37-590 |
26x1-3/8(650A) |
590 |
28-622 |
700x28C |
28-622 |
37-630 |
27x1-3/8 |
630 |
旧表記の数字は外径の目安で、実際の寸法を決めるものではありません。たとえば JIS の改正案では、700x38C という同じ旧表記が 38-622 と 40-622 の両方に対応しています。インチ表記の読み方は 自転車タイヤサイズの見方 にまとめました。
互換は後ろの3桁で決まる
- 後ろの数字が同じなら、同じリムに付けられる可能性があります(例:
40-406と50-406) - 後ろの数字が違えば付きません。「20インチ」には 406 と 451 があり、ほかにもいくつかのリム径が同じ呼び名で売られてきました
- 差が小さくても互換はありません。27インチ(630)と700C(622)の差は8mmです
前の数字はリム幅で変わる
ETRTO の前の数字は、設計リム幅に付けたときの幅です。JIS の改正案では、たとえば幅25〜28mm のタイヤの設計リム幅は 19mm、35〜46mm なら 23mm と決められています。
- 設計リム幅と違うリムに付けると、実際の幅は「リム幅の差×0.4」ほど変わると見積もれます(JIS の改正案)
- ミシュランは、28mm のタイヤの基準リムが2021年から 17mm → 19mm に変わったと説明しています。同じ「28」でも、古い基準の製品とは幅の測り方が違うことがあります
- 同じ
20x1.75でも、メーカーによって44-406・47-406のように前の数字が違うことがあります
リムにも ETRTO の表記がある
リムは 622x19C や 406x23 のように「リム径×リム内幅」で表されます。19-622 のように「内幅-リム径」の順で書く例もあります。どちらの場合も、リム径の数字(622)をタイヤの後ろの数字と比べます。
| どこの表記か | 例 | 前の数字 | 後ろの数字 |
|---|---|---|---|
| タイヤ | 28-622 |
タイヤ幅 | リム径 |
| リム | 622x19C |
リム径 | リム内幅 |
タイヤを外した状態なら、リムに数字が書かれていることがあります。
バイクや車の「ETRTO」は別の書き方
ETRTO はバイクや乗用車のタイヤとリムも扱っていますが、バイクのサイズは 90/90-10 のように「幅/扁平率-リム径(インチ)」で書かれ、自転車の 47-406 とは読み方が違います。バイクについては バイクタイヤのインチ表記とメトリック表記 を参照してください。
このページは規格団体・規格・メーカーの公開資料を突き合わせて整理したもので、特定のサイズへの交換をおすすめするものではありません。最終確認は販売店へご相談ください。