バイクタイヤのインチ表記とメトリック表記
3.00-10 と 90/90-10 の違い
バイクのタイヤサイズには、3.00-10 のようなインチ表記と、90/90-10 のようなメトリック表記があります。どちらも最後の数字がリム径(インチ)で、-10 なら10インチのホイールに付くタイヤです。
ただし、リム径が同じでも同じタイヤではありません。メーカーの表で比べると、外径はほぼ同じでも、合うリム幅と荷重指数が違います。
このページでは表記の読み方と、このサイトで集めたメーカー表の数字を使った具体例をまとめます。
インチ表記とメトリック表記の読み方
| 表記 | 例 | 読み方 |
|---|---|---|
| インチ表記 | 3.00-10 42J |
幅3.00インチ・リム径10インチ。荷重指数42・速度記号J |
| メトリック表記 | 90/90-10 50J |
幅90mm・扁平率90%・リム径10インチ。荷重指数50・速度記号J |
- 扁平率は、タイヤの高さが幅の何%かを表します。メトリック表記の幅は10mm刻み、扁平率は5%刻みで表されます
- インチ表記には扁平率がありません。ブリヂストンは、インチ表記のタイヤはおおよそ扁平率90〜100のシリーズに当たると説明しています
- 幅とリム径の間の記号は構造を表します。
-はバイアス、Rはラジアル、Bはベルテッドバイアスです(例120/70-12、180/55ZR17) - 幅もリム径も「呼び」です。
3.00-10を計算すると、幅76.2mm、扁平率100%と仮定した外径は約406mmですが、メーカーの表の外径は413〜418mm、幅は81〜87mmです
荷重指数と速度記号(42J など)
サイズの後ろの 42J は、荷重指数(数字)と速度記号(英字)です。荷重指数は決められた条件で1本のタイヤが支えられる最大の重さ、速度記号は走れる最高速度を表します。
| 荷重指数 | 最大負荷 | 速度記号 | 最高速度 | |
|---|---|---|---|---|
| 41 | 145kg | J | 100km/h | |
| 42 | 150kg | L | 120km/h | |
| 44 | 160kg | P | 150km/h | |
| 46 | 170kg | S | 180km/h | |
| 50 | 190kg |
- 古いタイヤや適合表では、荷重を
4PR(プライレーティング)で表していることがあります。4PR は「プライ4枚分の強さ」という意味で、実際のプライの枚数ではありません。IRC の適合表には4PR(38L)・6PR(43L)のように両方を書いたものがあります - ダンロップは、車両メーカーが指定するサイズを確認したうえで、速度記号と荷重指数が同等以上のものを選ぶよう案内しています
TL・WT(TT)と M/C
| 表示 | 意味 |
|---|---|
TL・T/L |
チューブレス |
WT・W/T・W・TT |
チューブタイプ(中にチューブを入れる) |
M/C |
モーターサイクル用 |
- チューブタイプのタイヤには、サイズの合うチューブが必要です。チューブは「3.00-10・90/90-10 兼用」のように複数のサイズに合う品番があります
M/Cは、13インチ以上のメトリック表記のタイヤに、乗用車用との混同を防ぐために付けられます。インチ表記のタイヤには付きません。10インチのスクーター用(3.00-10・90/90-10)にも付きません
具体例:10インチの4サイズを比べる
10インチの原付スクーターでよく使われる4サイズを、ブリヂストン・ダンロップ・IRC の公開表で比べました。外径は各社の値の範囲です。
| サイズ | 外径 | 標準リム | 合うリム幅 | 荷重指数 | 構造 | 詳しく |
|---|---|---|---|---|---|---|
3.00-10 |
413〜418mm | 2.15(MB90 は 2.50) | 1.85〜2.15(一部 2.50 まで) | 42J | TL・WT | 3.00-10 |
80/100-10 |
414〜417mm | 1.85 | 1.85〜2.15 | 46J | TL | 80/100-10 |
90/90-10 |
415〜420mm | 2.15 | 2.15〜2.50 | 50J | TL | 90/90-10 |
80/90-10 |
397〜401mm | 2.15 | 1.85〜2.15 | 44J | TL・WT | — |
この表から言えること:
3.00-10・80/100-10・90/90-10は外径がほぼ同じです。それでも、90/90-10の合うリム幅は 2.15 からなので、1.85 のリムには付けられません- 荷重指数が違います。
3.00-10の 42(150kg)は、80/100-10指定の車両(46)を下回ります 80/90-10は名前が似ていますが、外径が14〜17mm小さい別のサイズです- 同じ車種名でも年式で純正サイズが変わります。ホンダ ディオは1993年の型(A-AF27)が
3.00-10 42J、現行の諸元は80/100-10 46Jです
具体例:17インチの 2.75-17 と 80/90-17
カブ系の17インチでは、2.75-17 と 80/90-17 を同じものと考える人がいますが、メーカーの表では違います。
2.75-17 |
80/90-17 |
|
|---|---|---|
| 荷重指数・速度記号 | 41P | 44P・50P |
| 合うリム幅 | 1.40〜1.85 | 1.60〜2.15 |
| 構造 | WT(見つかったのはチューブタイプのみ) | TL・WT |
| ダンロップの対応表で対応するサイズ | 90/90-17 |
2.50-17 |
| 使われている車両の例 | クロスカブ(2013年〜の初代 JA10) | クロスカブ110(2018年〜の JA45) |
2.75-17の 41P は、80/90-17指定の車両(44P・50P)より低い荷重指数です- チューブも別の品番です(IRC では
2.75-17が 25957B、80/90-17が 25956B) - 詳しくは 2.75-17 と 80/90-17 のページにまとめました
「条件付き」になる理由
このサイトでは、純正と違うサイズを「付く」ではなく「条件付き」と表示します。メーカー各社の注意書きをまとめると、条件は次のとおりです。
- 荷重指数・速度記号が車両の指定と同じか、それ以上であること
- 今のリム幅が、そのタイヤの合うリム幅に入っていること(ダンロップの対応表は、新車から付いているリムをそのまま使う前提です)
- 外径・幅が変わっても、フェンダーや車体に当たらないこと
- チューブレスかチューブタイプかをホイールに合わせること
ミシュランはインチ表記とメトリック表記の換算表を出していますが、サイズの入れ替えはすすめないと明記しています。ヤマハも、車両メーカーの指定と違うサイズを使うのは危険だとしています。
自分のバイクのサイズを調べるには
- 今付いているタイヤの側面の刻印を読む
- 車両の取扱説明書や、スイングアームなどに貼られたタイヤの表示を見る
- 車種ごとの純正サイズは バイクのページ から探せます
このページはタイヤメーカー・車両メーカーの公開資料を突き合わせて整理したもので、純正以外のサイズへの交換をおすすめするものではありません。交換の前に車両の指定を確かめ、最終確認は販売店へご相談ください。